科学コミュニケーションや研究成果のアウトリーチの現場では、画像や動画よりも、模型を使った方が良いこともあります。一般市民向け企画などで、そのような例が良くみられます。
しかし、自分の研究内容を説明する模型はどうやって作ればよいのでしょうか?
少なくともプラモデル屋では売ってません。

 

こういう場面で、3Dプリンターの使用が検討できます。
では、3Dプリンターに入力するデータはどうやって作るのでしょうか。

 

答えは、普段の研究で使っているCIFファイル(結晶構造)PDBファイル(分子構造)
3Dプリンター用のSTLやVRMLファイルに変換することです。

 

流れとしては以下になります。

2d%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%83%88%e8%ac%9b%e5%ba%a7hp%e5%88%b6%e4%bd%9c-1

1.まず、VESTA(結晶構造可視化ソフト、無料)もしくはAvogadro(分子構造可視化ソフト、無料)を使い、
CIFファイル、もしくはPDBファイルを作ります。

模型を空間充填モデルで作るのか、Ball & Stickで作るのかはここで決めますが、正直のところBall & Stickはオススメできません。入り組んだ形状の場合は3Dプリントできないこともあり得ますし、出力できても高確率で壊れますので長期間での使用は望めません。

 

2.作りたい模型の3D形状が決まったところで、VESTAやAvogadroなどのソフトから、VRMLSTLファイルとして出力(エクスポート)します。

注意が必要なのは、VRMLやSTLファイルをそのまま3Dプリンターに入れたとしても、大抵の場合は予想に反するサイズになるかエラーが発生することです。そのため、3Dプリント用メッシュ作成ソフトでファイルを整える必要があります。

まず、そもそも3Dプリントが可能なファイルに加工する必要があります。
多くの場合は「ポリゴンが交差している」というエラーを抱えているので、これを解消する必要があります。
ただし最近は、例えばDMMの3Dプリントサービスなどでは一定範囲内であれば自動でやってくれます。
つまりSTLやVRMLファイル本体と、送り先住所をアップロードするだけで良いことになります。

 

模型の大きさもここで決めます。過去の事例からは、模型は幅10cmは欲しいところです。
模型の材質の選択は非常に重要です。

幅10cm程のサイズなら、石膏なら色も付けられて3000円程度で済みます。一方で素材の中では比較的脆いことが欠点です。

ゴム様の柔らかい素材や、金属・ガラスは材質によっては20万円以上と高額になるので注意が必要です。

以上のように、注意点は色々ありますが、PDBやCIFファイルを3Dプリントして、研究発表用の自作模型を作ることは可能です。ただし、3Dプリンターは一般普及初期にあるので、今後も新たな方法が出てくるとみられます。